LAP SHOT 誤動作について

バイクユーザーの方で、サーキットを走り始めると
5秒刻みで 計測されてしまうという症状が報告されましたので
実際に お客様の オートバイをお預かりして、原因の追究を致しました。

不具合品の詳細
サ−キットにてLP03を使用し計測をはじめたところ、5秒間隔で記録してしまい、
ラップタイムの計測ができなかった。
再現試験
不具合事象の起きた車両を使用し、不具合原因を特定するために行う試験
磁気ライン以外で磁気センサ−が検知する不具合事象が起きた車両(客先殿所有)
を使用し、不具合原因を特定し不具合品対策を実施する。


症状が発生する位置を再現します。

写真@




写真A

試験内容
下記4条件にて再現試験を実施する。
尚031Aを使用して比較試験を同時に実施する。
添付資料 写真 1・2
3)-1 試験実施日 2009.06.10〜2009.06.17
3)-2 担当者 降旗・三原
3)-3 使用機材
使用車両 客先殿2輪車両 使用車両 客先殿2輪車両
LP-03 353 客先殿使用 LP-03 031A
磁気センサ− 68Ω 客先殿使用 磁気センサ− 68Ω
電源 車両搭載バッテリ− 電源 簡易バッテリ−BOX
取付位置 写真1 取付位置 写真2
エンジンをかけた状態での各回転域での検知 3)-3-2 エンジンの各回転域で後輪を駆動した場合
後輪ジャッキ使用 後輪ジャッキ使用
エンジン回転(MAX) 製品NO. エンジン回転(MAX) 製品NO.
353 031A 353 031A
1000 検知なし 検知なし 1000 検知あり 検知あり
2000 検知なし 検知なし 2000 検知あり 検知あり
3000 検知なし 検知なし 3000 検知あり 検知あり
4000 検知なし 検知なし 4000 検知あり 検知あり
5000 検知なし 検知なし 5000 検知あり 検知あり
エンジンをかけず後輪を手でまわした場合 3)-3-4 走行試験
後輪ジャッキ使用 エンジン回転(MAX) 製品NO.
製品NO. 353 031A
353 031A 1000 検知あり 検知あり
検知あり 検知あり 2000 検知あり 検知あり
3000 検知あり 検知あり
4000 検知あり 検知あり
5000 検知あり 検知あり

試験結果
1 エンジンをかけた状態で後輪を駆動させない場合は各回転域で磁気センサ−は検知しなかった。
2 エンジンの各回転域で後輪を駆動させると、磁気センサ−は検知した。
3 エンジンをかけずに、後輪を手で回し、後輪を駆動させると磁気センサ−は検知した。
4 エンジンの各回転域で車両を走行させると、磁気センサ−は検知した。
考察
1 エンジンをかけた状態でも後輪を駆動させない場合は、各回転域で検知が起きなかったことから
ノイズ等、電気的要因によって検知は起きないと判断する。
2 検知が起きる要因として、エンジンのON・OFF及び、各回転域が要因とはならないと判断する。
3 検知が起きる要因は後輪が駆動していることと判断する。
試験補足
1 リヤホイ−ルを手で回転させコンパスを用いてリヤホイ−ル近辺の磁場が変化するか目視にて
確認する。
2 コンパスの指針が回転し始めることから、磁場に変化が起きたことが確認できた。
添付資料 写真3・4


  写真B.C

不具合原因
1 LP-03製品NO353で発生した不具合事象の原因はリヤホイ−ルが回転することで、磁場に変化
が起きた為にLP-03の磁気センサ−が検知し5秒毎に記録したと考えられる。
2 リヤホイ−ルが回転することで、磁場に変化が起きたメカニズムは解明できない為、今後の課題
とし、懸案事項とする。
3 LP-03本体(353)を分解し検品したが、基板の部品実装状態等良好であった。
4 磁気センサ−は分解できない為、LP-03本体(353)と接続し、動作検査治具を使用し動作検査を
実施した・結果は合格

不具合品対策
1 LP-03本体・磁気センサ−とも良品であり不具合原因とはならない為、磁気センサ−の取付
位置を適切な位置に変更することによって不具合事象の発生を防止し、正確な計測結果を記録
できると判断する。
2 磁気センサ−の適切な取付位置としてサイドスタンド近辺とした。写真5参照
3 磁気センサ−取付後、車両を走行させ、検知しないことを確認した。
* MAX エンジン回転6500・ギヤ6速・スピ−ド約150Km
4 正確に計測できるかは、客先殿にご協力頂き、実際サ−キットでの計測結果にて確認すること
とする。


1 今回の不具合事象の調査によって、2輪で起きている誤検知(5秒間隔)の多くは磁気センサ−の
取り付け位置を適切な位置に変更することで解決できると思われる。
2 磁気センサ−取付位置は車両のホイ−ルベ−ス中間地点が最も適切な位置と考えられる。

サーキットでの実地検証

日時: 2009年7月11日(土) 場所 : ツインリンク もてぎ

天候 :晴れ
            路面温度: 約50℃


1回目のテスト走行


LAP-SHOTを 2台取り付けて、動作確認。
(センサーの取り付け位置は2ケとも同じ場所に設置) 写真参照。

センタースタンドをかけて、後輪を回転させ、誤作動しないことを確認。




1回目の走行は8周とも全て、正常に計測する事を確認致しました。


2回目のテスト走行

磁気センサーの取り付け位置を アンダーカウル内へ移動して再テスト致しました。



この状態で、後輪を回転させても 誤作動をしないことを確認。

しかし、パドックからピットレーンへ走行しただけで、誤作動が発生。
コース走行していても 20秒、40秒、5秒、1分20秒 などありえない
数値を計測してしまいました。

同時に、センターカウルへ磁気センサーを取り付けてLAP-SHOTの計測確認を
しましたが、こちらは 全く計測できませんでした。
原因は不明。


3回目のテスト走行。

再度、磁気センサーの取り付け位置を変更。 画像のように2回目よりも
前側のアンダカウル下部へ移動 及び 1回目とほぼ同じ位置へ変更致しました。




3回目の走行テストでは、全ての周回で 2台のLAP-SHOTが 正常に計測することができました。

テストの結果から判断できることは、磁気センサーの取り付け位置によって
誤作動を起こす場合があることが 判明致しました。



基本情報

磁気センサーの取り付け位置

まれに、磁気を帯びた ブレーキローター、チェーンの近くに
磁気センサーを設置すると同症状が現れる場合がありますので
ブレーキローター、チェーンからできるだけ離れた位置に設置してください。

対処方法

上記症状が出る場合はサーキットと関係なく、一般道を走行した場合でも
LAPSHOTが計測を開始します。
本来は一般道では 計測しませんので、スタンバイ状態のままであれば
正常です。


本体の故障を疑う方もいらっしゃいますが、
ほとんどの場合、本体に異常があるケースは稀です。
(故障チェックは磁石を磁気センサーに
当ててみて動作確認してみてください。)
磁石を当てる度に 計測カウントされれば 本体は正常です。